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東山魁夷「曙」リトグラフ
東山魁夷「曙」
中島千波「三春の滝櫻」
中島千波「三春の滝櫻」
平山郁夫「楼蘭の月」
平山郁夫「楼蘭の月」
片岡球子「めでたき白富士」
片岡球子「めでたき白富士」
棟方志功「餘香佳韻図」
棟方志功「餘香佳韻図」


《絵画の知識コーナー》


【美術品の鑑定書類や、保証書について】
 [鑑定書とシール]
    物故作家の有名作品の売買では真贋に対する責任は販売者に存在しております。
    お客様に有名物故作家の作品を販売する場合は所定鑑定員の鑑定書を添付して
    販売するのが美術商としてのマナーであり、美術業界では一般的な常識となって
    おります。

 [保証書]
    保証書とは何か?・・・
    これは日本にまだ版画販売が浸透していない時期に、販売店が昭和50年頃から、
    お客様に商品イメージを高める為に、宝石業界の手法を模倣して添付するように
    なったのが始まりです。
    美術品に保証書が添付されていようと保証書そのものに権威、価値付けは無く、
    何ら意味合いを持ちません。世界的巨匠ピカソ、シャガール等の作品が外国から
    輸入されてくる場合、保証書などはついておりません。
   
    信用を重んじる国内のデパートでも版画販売では保証書は付けておらず、保証書
    添付は一部の業者だけが使っている販売手法です。
    但し、例外的なことが一つあります。世界的な木版画作家、棟方志功の木版画は
    めて高く、偽物が多く出回っている為、日本で唯一、異例中
    の異例として、お客様に販売する時は「棟方志功鑑定委員会」
    発行の「鑑定書」が必要となっております。(保証書ではあり
    ません)弊社では弊社独自の保証書の添付は採用しておらず、お客様にも上文を
    ご説明、ご理解の上、ご納得していただいております。

【版画の限定部数と番号について】
版画の限定番号には通常番号として、アラビア数字(1,2,3〜)の番号とローマ数字の番号(T,
U,V〜L,C等)の他、部外番号としてHC版,EA版、AP版、PP版等、英数字を用いた記号が
あります。
部外番号は作家が制作記念に美術界関係者、友人、知人、制作工房の方々への贈答用、
展示会への出品作品、作家自身の保存作品として通常作品の約10〜15%位制作される
のが通例です。

版画作品の限定番号の分母は限定数を証明するもので、分子はその分母に対する単なる
整理番号になります。 これら全ての限定番号及び英数字限定記号では、若い限定番号と
大きな限定番号、及び部外番号とでは作品の価値、品質において、何ら差異のあるものでは
ありません。

アラビア数字 10
ローマ数字 TU VW XY Z[ \]

アラビア数字 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100
ローマ数字 ] ]] ]]] ]L L] L]] L]]] ]C

アラビア数字 100200 300400500 600 700 800 900 1000
ローマ数字 CC CCC CD DC DCC DCCC CM


顧客となる日本人は几帳面な国民性からか、作品の色相や濃淡の違いに厳格性を求め、
作品に完全性を求めるため、腕の良い日本の職人さんにより、全ての作品は遜色なく制作
され、均一の完成度となって市場にでてきます。
それと比較して欧米人は作品の色相や濃淡の違いなどに余りこだわらず、その作品、作品
の味わいを楽しむ傾向があり、これは多様性を受容するお国柄を反映し、色合いの違いや
少し位の違いは許容する国民性の違いが浮き彫りにされます。
また街の絵画販売のセールスマン(ウーマン)の方が部外番号(HC版,EA版、AP版、)
などに 対する理解も希薄で、お客様に限定番号の「部外番号のEA版、HC版は価値がある」
とか、「限定番号で番号が若い方が良いとか、後の番号が価値ある」とか、断定して説明して
いるのを見聞きしますが、これらは単なる整理番号としての意味合いしかなく、間違った説明
ですので一切関係ありません。プロセールスマンが販売を有利に展開する為の営業上の常套
手段の「セールストーク」ですので惑わされない様にしてください。
コレクターの中には好みとして部外番号の限定番号のみを好んで蒐集される方もいらっしゃ
います。 版画類は作品に瑕疵(キズ、汚れ、焼け、退色等)がない限り、皆、価値は同じです。




●AP版(英語でartist proof という)
通常、作家が版画製作の上で協力者や友人、知人などに贈呈するために所有しているもの。
●EA版(仏語でepreuve d'artisteという)
----------上記に同じ-----------
●HC版(仏語でhors commerceという)
「非売品」の作品を意味します。


最近では限定番号が英字で表示されているものも普通に市場に出回っている場合が見受け
られ、表示がEA、AP、HCであっても作品の質に何ら差異がないので、マニアの方には英字
記号を指定で買われる方もおられます。価格面においても両者とも差はありません。


【版画の用紙と種類】
版画の画像は色々な種類の紙にインク種で線や、色をつけて写し取り、画像と
なっているもです。それら画像が表現出来る紙の種類ですが、紙の起源は
紀元前3500年頃にさかのぼり、古代エジプトのナイル川、ユーフラテス川
流域に植生していたパピルス草の繊維を原材料とし、紙の役割としてきました。
その後、紀元前2600年以降、中央アジア、ペルガモン地方で羊
皮紙(子羊の皮を擦りのばしたもの)が使われるようになってきました。


現代ではスペインが生んだ巨匠サルバドール・ダリなども版画作品「哲学者の錬金術
・1977」で羊皮紙を使った作品を発表しています。その後、牛皮紙(子牛の
皮を擦りのばしたもの)が考案され、17世紀になると巨匠レンブラントなども
牛皮紙を使った作品を発表しています。

中国の後漢書に記述されている製紙の起源は西暦89年〜105年葵論(ツアイルン)に
よって発明されました。樹皮、麻、古皮、魚網などが原料とされました。日本には8世紀
頃に朝鮮を経由して伝わったという説があります。
中国で発明され、発達した製紙法は900年にエジプト、1151年にスペイン、1189
年にはフランスに、1276年にはイタリアに、1391年にはドイツへと世界中に広まって
いきました。

版画の紙は顔料がのりやすく、丈夫でインクの吸着性が良くないといけないわけで、その中でも
日本の和紙は多くの条件を満たしており、世界中の版画家には大好評になりました。現在でも
和紙は「ジャポン」という呼称で呼ばれ、良質紙の代名詞となっている。最近ではフランスの
「アルシュ紙」、「BFK紙」が多くの版画家に人気があり、広く活用されています。
版画は油絵や日本画などの一点ものと違い、複数芸術のため、とかく初めての方には
単なる印刷物とか、複製画じゃないかなどと偏見による声も耳にすることもあります。
ヨーロッパでも18世紀末頃まで「芸術ではない」などと反対者が多く見受けられましたが、
19世紀頃より、コレクターの定着などファン層の拡大とともに複数芸術の良さがようやく
認知されるようになりました。

日本では葛飾北斎、安藤広重、北川歌麿などの初刷り木版画が、日本より先に欧米で認知
され、高い評価を受けました。これら作家作品の良品は太平洋戦争終戦直後から欧米に
数多く流出しました。
今日の日本でも1980年頃より、版画に対する理解者がインテリ層から広がり、底辺
の拡大につながっています。絵の好きな愛好者の方には油絵や日本画の高価な一点もの
より、価格的に割安感のある版画の方が所有しやすいという、便利性が受けています。

【版画の刷りの種類について】
 [初摺り版画]
   木版画などで一番最初に摺られ完成したものをいいます。
 [後摺り版画]
   版木の原版が残っていて再度、摺り増したものをいいます。
 [復刻版画]
   以前、出版された版画を再度、原版を作り直し、再発行された版画のことをいいます。

【版画の仕分け】
 [オリジナル版画] とは?


純粋に作品を版画で発表する目的で作られた版画を指し、その版画作品の制作以前に
同一絵柄の油絵や日本画等が存在しておらず、その作品が他の技法で発表されていな
いものを指します。
オリジナル版画は、作家自ら制作し、摺り等の制作行程全般に立会い、監修している
場合が多いです。
オリジナル版画の代表的な作家は長谷川潔、棟方志功、浜口陽三、池田満寿夫、駒井
哲郎等がおります。
 
東山魁夷先生のオリジナル版画の場合はローマ字で(Kaii-Higashiyama)と鉛筆で
記入しており、一部オリジナル版画でサイン、印章無しのもの(価格的に
安価である)もあります。
それ以外のサイン無しの生前作品は東山魁夷先生の
監修で全て朱印入り作品の複製版画となります。
東山魁夷先生の没後に制作された作品は「東山魁夷すみ未亡人」監修の新復刻
複製版画となります。
 
加山又造先生も同様にオリジナル版画には漢字で(又造)の鉛筆サインが入っており、
無いものは殆んどが複製版画です。
平山郁夫先生の場合は原画からの複製版画が多く、複製版画にも鉛筆サインを記入して
おり、市場価格も複製版画の方がオリジナル版画以上に高いものが多いです。

但し、複製版画の場合は原画をベースにして、制作過程においては厳しい色調調整等を
試みながら仕上げますので一部原画と異なり、準オリジナル版画といえる側面
もあります。

 [エスタンプ版画]
通常、「エスタンプ(ESTAMPE)」とはフランス語で元来、「版画」と言う意味ですが、
いつの日からか日本では誤訳され、「複製」と呼ばれるようになり、今日では
「エスタンプ=複製版画」という言葉が定着しました。

【手彩色版画】
 [手彩色版画]
手彩色版画とはモノクローム版画などに作家自らの手により、彩色で加筆したものを
いいます。これらは当然一点一点の色彩度が異なるため、価格面で若干、プレミアムが
つく場合があります。

【レゾネ本について】
作家の全作品内容を披瀝したもので作品の詳細が理解できます。内容は版画・ブロンズ
・陶器・彫刻・複製画類です。(日本画・洋画・書・類は含まれない)版画を多く制作、
出版している国内・外の著名な作家はレゾネ本を出版しているケースが多いです。内容は
図版、制作年、作品名、技法、絵柄サイズ、用紙サイズ、用紙の種類、限定部数、部外摺り
部数(EA・HC・AP・PP・版)、何色刷りか、モノクロか、出版元名(版元名)などが明記
されています。その為、有名作家の版画などの真贋は作品とレゾネ本とを比較してみます
と真贋の区別が直ぐ判明します。

【版画の種類について】
版画の技法には大きく分けて、リトグラフ(石版画)、銅版画(エッチング、ドライポイント、
メゾチント、アクアチント)、シルクスクリーン(セリグラフ、孔版)、木版画(浮世絵等)の
4種類があります。
 
岩絵具方式作品について】
「岩絵具方式」とは 巧芸画作品(多色コロタイプ印刷で清巧に複製したものでポスター
印刷と同類)とみなされ、版画とは異なり、価格も安価で数万円位でお求め戴けます。


【版画の技法について】
■リトグラフ[Iithograph](平版)
版画の古典的な手法で、18世紀末、楽譜を印刷するためにドイツで発明された技法として
現在に至っています。版には平面の石版(石灰石)、ジンク版(亜鉛)、アルミ版などを使用し、
転写紙の上に、油性の強い墨、鉛筆、チョーク、クレヨンで作画して、その上に滑石粉末と
硝酸を加えたアラビアゴム液を塗り、この版に油性インキをのせると、水と油の反発作用に
よって、絵を描いた部分にだけインキが付着する。この原版に紙をのせ、プレス機で圧力を
加えることによって、絵が描かれた部分だけが刷られる仕組である手で自由に描いたその
ままが版画となり、細かい表現も可能な点が大きな特徴で現代作家達もリトグラフを数多く
手がけています。


■シルクスクリーン[silkscreen](孔版)
金属や木の枠に絹やナイロン、テトロンなどの幕(スクリーン)を張り、その幕の網目を様々
な方法でふさぎ、ふさがれていない部分だけからインキを下に押し出して印刷する方法。
網目をふさぐ方法には、色を付けたい部分だけを切り取った厚紙の上にスクリーンを重ねて
刷る方法や、スクリーンに直接に感光乳剤を塗り、ボジフィルムを密着させて露光することに
よって画像を抜く方法などがある。この技法は画面が反転しません。色の境界線がはっきり
していて均質に仕上がります。


■セリグラフ[serigraph]
   シルクスクリーンのことを言う。


■木版画[woodcut](凸版)
木の板に彫刻刀を用いて絵柄を彫り、製版としたものから摺って版画としたもの。
日本では古くから浮世絵版画などが世界的に有名であり、優れた伝統技術の木版画として
現代まで継承されている。日本では、従来から縦に木を切った板目木版が主流ですが、西洋
では、一般に木を輪切りにした木口木版を用いています。


■エッチング[etching](凹版)
防蝕剤で覆った銅版や亜鉛版の表面に耐酸性のニスを塗り、その上を鉄の針などで線を刻ん
で傷をつける。酸で線の部分だけを腐蝕させ凹部を作り、そこにインキをつめて印刷する。腐蝕
させる時間を調整することによって、線の強弱や太さの違いを変えることができる。直接版を彫
って画線部を残す技法よりも自由に線が描けることと、細かい描写ができることが特徴。
レンブラント以降版画の主流になっています。


■ミックスドメディア(混合技法)
複数の製版技法を組み合わせていく技法です。ミックスドメディアは広範なジャンルに使われる
言葉ですがラッセン・シメールデビッドミラー・等のアメリカ版画についていいますと写真製版され
た下絵にシルクスクリーンをプラスして、原画の微妙なグラデーションや繊細な陰影、奥行きの
ある立体感などを表現しています。従来のリトグラフやシルクスクリーンでは実現できなかった
立体感・色彩を表現できます。


■アータグラフ
従来の版画は、色彩の再現までは出来ましたが、完全な凸凹までは不可能でした。そこに生ま
れたのが、カナダA.R.T.社の「アータグラフ」です。キャンバス上に版が刷られ、版画の表面に凹
凸がつけられ、原画の筆づかいを忠実に再現している技法です。工程としては、画像をデジタル
スキャンし、原画に忠実な色合い色調をつけ、そのうえにコンピューター等を使い、原画の表面
の凹凸を読み込みながら版を製作していくところが特色ですラッセンはこの技法を好み、その版
画は本画と見ちがえるほどです


■ドライポイント[drypoint](凹版)
銅版などに、硬い鋼鉄製の針やダイヤモンド針で、直接刻描して凹部を刻んでいく技法。
版に直接刻むため線の横にできる押し上げられたささくれなども、そのままにしておくのが特徴
です。このために線が不規則な太さになり、この「まくれ」の部分にからまったインキが紙に印刷
されることによって、独特で暖かい感じの線が表現される。


■メゾチント[mezzotint](凹版)
銅版の表面全体に、櫛歯状の彫刻刀で水平・垂直・対角の方向にぎっしりと無数の直線(あるい
は点刻線)を刻みつけることによって、版全体を「まくれ」で覆われた状態にしておく。その上をス
クレーパーという道具で不必要な「まくれ」を削りとり、削りとる具合によって灰色から白への濃淡
を整えていく。「まくれ」で覆われた部分はビロードのような質感を持った黒色で印刷されるが、そ
の黒色を背景に展開される豊かで繊細な明暗濃淡の表現がメゾチントの魅力である。


■アクアチント[aquatint](凹版)
銅版、亜鉛版上に松脂やアスファルトの粉末を散布し、熱でこれを溶かして版上に粒子を付着さ
せた後、腐食液につけて、ざらざらした砂目の版面を作り出す技法。その上に防蝕剤で絵を描
く。その後、腐蝕液につけると、防蝕剤で描かれた部分以外の粒子のすき間に腐蝕液が浸透
し、細かい斑点状に銅版を腐蝕する。この腐食の度合いによってインクの濃淡が決定される仕
組はエッチングと同様。防蝕剤で描かれた部分は白く印刷される一方、砂目の銅版部は、その
腐蝕の度合いによって繊細な濃淡を表現する。エッチングなどと併用することが多く、明暗の調
子を出すのに使われます。


■ペーパースクリーン
シルクスクリーンと原理は同じで、シルクを通さずに和紙の繊維を通して油性インクで摺る技
法。仕上がりはリトグラフあるいはシルクスクリーンと似ていますが、油性インクが和紙の繊維
を通過することによって独特のマチエールが出せるのが特徴です。


■ジークレー[giclee(英)]・別の呼び名-(ジクレ・ジグレ・ジクリー)
最新のデジタルカメラとスキャナー技術を駆使して作成される版画。
ラッセン・シメール・アルフォーグ等のアメリカ版画を中心に広がりを見せている高画質デジタル
印刷です。リトグラフやシルクスリーンなどとは異なり、版は使用していません。ジクリー、ジーク
レーの語源ですが、gicleeとは、フランス語でインクの吹き付けを意味します。これは、スクリーン
を通さず、キャンバスや版画の紙にジークレー専用のインクジェットプリンターから大きさ15ミク
ロンのシアンマジェンタ、黄色、黒色の4色の粒子が吹き付けられ制作されます。だいたい一枚
の大判のジークレー版画には数十億粒以上のインク粒子が吹き付けられます。毎秒4百万以
上、インクのミクロ粒子を、噴射して7万色以上の微細な発色を可能にしてます。水性のインクを
使用するために通常表面は乾燥した感じに仕上がり、見た感じはリトグラフに近い感じになり
ますが、その上からシルクスクリーンで透明ニスをかける場合はシルクスクリーンの様な仕上が
りになります。ジクリーと呼ばれることもあります。非常に繊細な線のタッチ、微妙な色彩の変化
、色彩の揺れなども逃さず再現することができ、現在最も原画に近い版画制作法といわれてい
ます。


■【アイリス】
ジクレと基本的に同様の技法です。プリンターのメーカー名をとってアイリスと呼ばれることも
あります。


■シバクローム[cibachrome (英)]・ 別の呼び名−( チバクローム・イルフォクローム)
カナダのシバガイギ社が特許を取得していることから、シバクロームという呼び名がついていま
す。同様にイルフォード社(スイス)からの商品は、イルフォクロームと呼ばれます。チバクローム
はポジ・プリントに使われるポジ材料で、チバクローム・ぺ一パーの略。手頃な枚数と専用現像
処理剤が容易に入手できるため普及した。他のネガ・ぺ一パーに比べて高価だが、非常に質の
高い耐久性のあるプリントが得られることが特徴。 通常の写真の現像方法は「発色現像法」と
よび、科学変化により、元々色のない媒体の上に必要な部分だけ色を発色指させる技法です。
シバクロームは「銀染料漂白法」と呼ばれる技法で、アゾ染料により色彩を形成する技法です。
「銀染料漂白法」とは、もともと媒体が持つ色を漂白により除去して必要な色だけを残す写真
技法です。通常の「発色現像法」のプリントは化学変化した色が経年より、色あせするため
美術品の色彩を保存する方法としては耐久性に問題がありました。
「銀染料漂白法」のシバクロームは元々ある色彩の中で不必要な色彩のみを除く方法のため、
色彩自身の耐久性は強く、経年しても、その透明感や色が損なわれないため、耐久性を要求さ
れる版画技法として近年よく使われる技法となっています。元になる「アゾ染料」は、衣料の染め
付けに用いられほどの耐久性を持ち、透明感や彩度に優れた染料です。チバクローム、イルフ
ォクロームとも呼ばれます。一般の版画と最も異なる点は、版画が刷られているものが紙やキャ
ンバス布ではなく、フィルムという点です。写真の究極の応用と考えればわかりやすいでしょう。
写真の場合は、色を定着させる際に、酸とアルカリの反応を利用する点から、酸化(変色)しや
すいのですが、シバクロームの場合は、すべての工程において中性の状態で作業するため、
酸化しにくいという特徴があります。


■エングレーヴイング[engraving](凹版)
一般的なのは金属版を彫るもので、ビュランという刃先の鋭い彫刻刀で、直接銅版を
彫り、出来た溝にインキを詰めて印刷する。版を彫りとるために、ドライボイントのような
「まくれ」もなく、くっきりとした鮮やかな線が表現出来る。エングレービングは「ビュラン
彫り」とも言われている。


■コラージュ[collage(仏)(英)]
コラージュとはフランス語で「糊による貼り付け」の意味で、布や紙を貼り付けた作品をコ
ラージュといいます。作品としてはパブロ・ピカソやジョルジュ・ブラックがキュビズムの
一つの表現方法としてパピエコレと呼ばれる、新聞や、包装紙、布を作品に張り付けたの
が、始まりとなります。
コラージュを利用した版画はミロ、クラーヴェ、タピエス等により制作されています。油絵
などにも共通する近代美術の特殊な技法。新聞、雑誌、針金をはじめ、画面とはおよそ
異質な材料を貼り合わせることによって現実の多様性を画面に取り込む効果をうみます。


■コラグラフ[collagraph]
厚紙に針金や糸、紙などの様々な素材を貼り付けて原版を作り、それらの素材の割れ目
にインキ詰めをして刷りあげるもの。


■リノカット[lino-cut]
版材としてリノリウムを用いるが、手法は木版と同様。木版の場合よりも大きい版が入手
しやすく、彫る場合に抵抗感が少ない。ただし、細かく織細な表現には不向き。独特の
彫り味を活かすことができる。


■インタリオ[intaglio]
一般的に凹版技法を用いた銅版画を指すもので、ドライボイント、エングレーヴイング、
エッチング、アクアチント、メゾチントなどを含む。


■オフセット[offset]
原画を写真撮影し、それを感光液を塗布した原版に焼き付ける。その後、原画の濃淡を
再現するため、化学的、電気的処理を施して原版を綱点と呼ばれる微細な点の粗密の
集合体に置き換える。この原版を、版胴、ゴム・ブランケット、圧胴の3つの円筒が接しな
がら回転する印刷機にかけて刷りあげる。網点の深さは非常に浅いため、平版として分
類されている。ルーぺで見ると細かい網点が見えることで通常のリトグラフとの区別が
容易に付く。大量の印刷が可能であるという利点がある。


■ステンシル[stencil]
画像を切り抜かれた原紙を紙や布の上に置き、その切り抜かれた部分から絵具やインキ
を刷りこむ手法。広く孔版のことを指し、形染やシルクスクリーンも含まれる。


■モノタイプ[monotype]
絵具や印刷インキで、直接、銅板やガラス板などに絵を描き、その上に用紙を置いて画像
をうつしとる一回摺りの方法。一点制作なので、必ずしも版画の分野に分類される必要は
ない。描かれた画像をわざわざ転写するのは、刷る時の圧カによって生じる独特な表現を
追及する意図が大きいであろう。


■フォトモンタージュ[photomontage]
一画面に二つ以上の映像を組み合わせた合成写真のこと。
合成の仕方には以下のようなものがある。
多重露出=一枚のフィルムに二つ以上の被写体を重ねて撮影する方法。
焼込み法=一枚の印画紙に二枚以上の原版の画像を組み合わせて焼き込む方法。
ダブル・プリント=二枚以上の原版を重ねて、一度に印画紙に焼き付ける方法。
多重露出とほとんど同様の効果を出すことが可能である。


■フォト・アッサンブラージュ[photo assemblage]
フォトモンタージュが印画紙の段階で処理が施され、一枚の写真作品としての統一性を
持つのに対し、フォト・アッサンブラージュは様々な写真を台紙上で組み合わせ、時には
布や金属などの異質の材料をも「寄せ集め(アッサンブラージュの意)」て、ひとつの作品
にまとめたものを指す。


■フォトボリマー[photopolymer]
感光性樹脂のこと。


■ディジタル・プリント[digitalprint]
コンピューターによって画像処理を行い、プリントする手法。


■ハンドメイドプリント[handmade-print(英)]
デビッド・ホックニーが制作したカラーコピーを使った版画。


■ガラス・ステロ版[cliches-verre(仏)]
バルビゾン派の作家が作品を制作したのみで、一般的な版画技法にはなりませんでしたが、
ミレーやコローが版画として製作している技法です。黒色乳剤で黒く皮膜を被せたガラス板に
ペンや鉄筆で描き、その黒色の皮膜を剥がし、それを写真のように感光紙に写し、制作する
技法。つまり手書きのネガフィルムを作りそれを紙に焼き付ける技法です。





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